ほっとひといき〜理事長ウメノ医師の休けい室

過ぎたるは…

アパリクリニック理事長ブログ 「ほっとひといき」にようこそ。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉があります。何事もほどほどにできるようになることは依存症の回復とも関連が深いことがらです。

われわれのまわりには依存のきっかけになるようなものがたくさんあります。たとえばお酒(アルコール類)やタバコは、どなたでも子どものころから家族が口にするのを見てきたでしょう。「大人になるとお酒やタバコをすうものだ」とお酒やタバコが一人前に大人になった証のように感じて憧れるような気持ちになった人もあるでしょう。あるいは優しいお父さんの思い出とタバコの香りが重なってタバコの香りをかぐと幼いころ優しく接してくれたお父さんを思い出す、という人もあるかも知れません。人によっては、こうした身近なものを始めて、習慣化し、やめることが難しくなるようになります。

一方で「お酒は自分にはあわない」、「タバコの煙だけはどうも苦手」という人がけっこういらっしゃるように、これらは多分に体質が関係しているものです。食べ物も同様で、甘いものが無性に食べたくなったり、満腹して元気がでてくる感覚(体内の血糖値が上昇している感覚と思われますが)を味わいたくて食べてしまう、という方もあるでしょう。さらに、「仕事」とか「恋愛」とか「ゲーム」のように日常生活を支え、楽しませて時に生きる喜びにつながるような行動を繰り返しおこなってやめることが難しくなることがあります。「依存症」は必ずしも特殊なものではなく、どなたの身近にもある、どなたにも起こりうる疾患であるということができます。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、「ほどほど」を楽しめることがとても大切と思われます。

今日もお読みいただきましてありがとうございます。ではまた。

 

掲載:2019/6/27 |



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