依存症ということ
アパリクリニック理事長ブログ「ほっとひといき」にようこそ。
今日からしばらくは、依存症についてお話ししていきたいと思います。
依存症とは、何らかの行動を、やめたいと思いながらやめられない、という疾患です。たとえば「アルコール依存症」とは飲酒という行動を、「薬物依存症」とは薬物摂取という行動を、「ギャンブル依存症」とはパチンコやスロットなどのギャンブルという行動を、やめたいがやめられない、という状態をさします。
これらが「疾患」と呼ぶべき状態であるのか、疑問に思われるかたもあるかとも知れません。しかし依存症は世界じゅうで疾患として認められております。たとえばWHO(世界保健機構)で作成されているICD(国際疾病分類)にも、依存症にあたる項目があります。
やめたい行動がやめられない、とはどういうことでしょうか?たとえば禁煙について、つぎのようなジョークがあります。
「禁煙なんて簡単だ。オレは何十回もやめている。」
ほんとうに喫煙をやめ続けることができれば、再び禁煙することはないわけで、何十回もになることもないはずです。実はなにかをやめようと決心してもやめ続けることが困難なのは、日常生活でもさまざまに経験されることと思います。たとえば日記を書き続けること、運動を続けること、早寝早起き、野菜を食べる、間食をやめる……みなさんそれぞれに続けたいものややめ続けたいものはあることと思います。
ほんとうにやめたい、しかしやめられない、このためにそれ以外の本来の社会生活に支障がでてきて、本来やりたいはずのことができなくなり、悲しませたくない人を悲しませることになってしまう…これが依存症なのです。
ここまでお読みいただいてありがとうございます。ではまた。